- 配管架台について基礎的な知識を知りたい
- 門型の配管架台について知りたい
- 屋上の配管架台について知りたい
配管工事を設計したものの、ついつい忘れがちなのが配管用の架台です。
エムケー商事株式会社は10年以上、室蘭の製鉄プラントに配管や架台を納めてきました。
そんな配管のプロフェッショナルである弊社が、配管架台について網羅的に解説していきます。
この記事を読むことで、配管架台を発注する、設計する際に、最低限必要な知識を得ることができます。
配管架台とは配管を支持する設備
配管架台は、配管・弁を設置する際に、大きく動かないようサポートする役割があります。
サポートがない場合、配管の重みによるたわみで、配管が大きく歪んだり、地震、強風などの外的要因によって、破損につながる恐れがあります。
配管を敷設するうえで、架台は重要な役割を担っています。
配管架台は配管ラックとも言います。
配管架台以外の支持方法としては、天井から吊金物を垂らして配管をサポートするという方法もあります。
エムケー商事では配管架台をプラントに多数納品しております。お困りの際はお気軽にお問い合わせくださいませ。
地上の横走り配管は門型の配管架台
配管を地上に対して横向きに敷設する際は、門型の配管架台を設置するのが一般的です。
門型の配管架台はアングル(山形鋼)やH鋼という鋼材を”門”の形に組み合わせた形状です。
寸法が決まっている型番商品もあり、ステンレスで安いものでは1万円前後で購入することができます。
門型の配管架台は、門型ブラケットとも言います。門型以外に使用される架台としては、L型ブラケット、三角ブラケット等が一般的です。
配管架台の強度計算は曲げとせん断を検討する
強度計算をするうえでの基本設計のポイントを以下の通りまとめました。
- 配管の重心位置をできる限り低くする
- バルブユニットがある場合はなるべく偏心荷重をおさえる
- 熱膨張による変形を考慮する
- 自重、地震、風荷重を考慮する
配管架台の強度計算においては最低でも以下の2点を検討します。
- 曲げ変形
- せん断変形
門型においては、集中荷重を受ける単純支持(両端支持)梁。L型ブラケットにおいては、集中荷重を受ける片持ち梁として計算します。
たわみは梁長さの1/250以下、SS400の許容せん断応力は90.1N/mm2として算出します。
集中荷重の大きさは架台が受け持つ配管重量となります。その配管重量は架台の間隔によって変わります。
配管架台の間隔は2~3m
公共建築工事標準仕様書(機械設備工事編)においては、下記のとおりとなっています。
横走りの鋼管、ステンレス鋼管の吊金物による支持間隔
- 100A以下は2m以下
- 125~300Aは3m以下
横走りの鋼管、ステンレス鋼管の形鋼振れ止め支持間隔
- 40A以下は支持不要
- 50~100Aは8m以下
- 125~300Aは12m以下
立て管の鋼管、ステンレス鋼管
- 80A以下は固定不要
- 100A以上は最下階の床または最上階の床で固定
- 各階1箇所に形鋼振れ止め支持
メーカーの施工要領の基準例は以下のとおりです。
配管径 | 支持間隔 |
20A以下 | 1.8m以内 |
25~40A | 2.0m以内 |
50~80A | 3.0m以内 |
90~150A | 4.0m以内 |
200A以上 | 5.0m以内 |
基準は多少の差があるものの、公共工事の基準に準拠しつつ、費用削減が必要な場合は強度計算をしたうえで、間隔を決定するのが好ましいです。
屋上の配管架台はコンクリートで固定
コンクリートによる固定方法は2種類あります。
- コンクリートブロック
- 基礎枠にコンクリート充填
コンクリートブロック
屋上においては、ブロック式の配管架台を設置するのが一般的です。床転がしとも言います。
門型の場合、固定する際に地面に穴を開けてアンカーによってコンクリートに固定する場合が多いですが、屋上の場合は不可能であることが多いです。
屋上は防水層という、雨漏り防止のシートのようなものが施工されていることが大半であるからです。
雨漏り防止のシートに穴を空けるわけにはいきません。
そのため、ブロックを置くという形で、配管をサポートするのです。
ただ、ブロックタイプは地震に弱いとされています。屋上の床とブロックが固定されていないためです。
そのため、ブロックの下にゴムシートを挟み込んだり、接着剤で固定したりすることが必要となってきます。
配管支持架台用基礎枠にコンクリート充填
基礎枠は樹脂製の型枠です。その型枠にコンクリートを流し込むことで、架台を固定する方法となります。
コンクリートブロックと同じく、アンカーの打てない防水層がある屋上において設置します。
基礎枠は「根巻き」とも言われます。
まとめ:配管架台完全ガイド【3分で解決!プラント初心者のための必読記事】
以上、配管架台について網羅的に解説しました。
まとめると以下のとおりです。
- 配管架台とは配管を支持する設備
- 地上の横走り配管は門型の配管架台
- 配管架台の強度計算は曲げとせん断を検討
- 配管架台の間隔は2~3m
- 屋上の配管架台はコンクリートで固定
エムケー商事株式会社では、お客様に合わせたオリジナルの配管架台を製作できます。
お困りの際は、お気軽にお問い合わせください。
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