- プラント配管設計の基礎について知りたい
- プラント配管図面の見方について知りたい
- プラント配管の設計・製図方法について知りたい
この記事を読んでいるということは、プラント配管を設計したいけれども、何から取り組めばよいのかがわからないと思っているからではないでしょうか。
エムケー商事株式会社は10年以上室蘭の製鉄プラントに配管、架台を納めてきました。
そんなプラント配管のプロフェッショナルである弊社が、プラント配管の設計について、網羅的に解説していきます。
記事を読むことで、基本的な知識を知ることができ、業務の流れについても把握することができます。また、どんな勉強をすればよいかがわかるので。あなたの設計技術を早く養うことができます。
プラント配管設計とは新規配管敷設に必須の業務
プラント配管設計とは、工場・発電所等における新規配管をどのような経路で敷設するかを検討する業務です。
設計することなしに、いきなり新しい配管を取付けていくということはありえません。
たとえるならパズルです。パズルの完成した絵を見ないで、組み合わせることはありませんよね。見ないまま進めると、全体像が見えないので、完成には時間がかかります。
プラント配管をしっかりと設計するということは、全体を把握して、材料を選定し、敷設するレイアウトを決め、効率的に工事を進めることにつながるのです。
プラント配管については、下記の記事で網羅的に解説しています。
>>プラント配管完全ガイド【発電所・工場初心者向けに基礎知識を解説】
プラント配管設計業務の流れ
おおまかな流れとしては下記のとおりです。
- 基本設計からP&IDを作成
- 配管レイアウトを作成
- アイソメ図を作成
基本設計からP&IDを作成
基本設計はプラントの建設時に決められた以下のことを言います。
- 弁リスト:使用する弁の一覧表
- 配管仕様書:法規などに基づいた配管の決め事
- 配管クラス:重要度、設計圧力、温度のクラス分け
- ラインリスト:配管の口径、厚さなどの一覧表
- プロットプラン:プラント全体の配置図
P&IDとは、Piping & Instrumentation Diagramの略です。配管計装図とか配管系統図とも言います。
まずは配管の全体を把握するために、何の設備から何の設備にどのように流れていくのかを設計します。
そこにポンプ、バルブ、圧力計等、様々な設備を配置していきます。
まずは手書きでもエクセルでも構いません。とにかく書き始めるということが大切です。
各職場によって、図面ソフトが導入されていれば、そのシステムを使用して書いていきます。
配管レイアウトを作成
全体の流れを把握した後に、配管レイアウトを作成します。
配管レイアウトは実寸で図面ソフトを使用して書くことが一般的です。
AutoCADで2D、3Dなどで描いていきます。
配管レイアウトを作成する際に最低限必要な計画が下記のとおりです。
- 圧力損失計算:配管下流側の圧力低下を考慮する
- 配管フレキシビリティ評価:熱や地震を考慮する
- サポート計画:配管を支持する架台を検討する
上記の計算も大切ですが、現場を確認できる状況であれば、必ず確認すべきです。
思わぬ障害物や問題があるからです。
たとえば、他の設備、蛍光灯などの障害物や、配管を搬入できるかどうかなど。そして、サポート取付けができるかどうかなども重要です。
現場をしっかりと確認することで、図面上に出てこない障害物や、予想外の環境に気付くことができます。
そういった気付きが、より良い配管レイアウト作成につながります。
アイソメ図を作成
アイソメ図とはアイソメトリック図の略です。配管全体を斜め上から見た図となっています。
アイソメ図は、手書きで済ませる場合もありますし、2DAutoCADでしっかりと作成する場合もあります。
どちらにしてもアイソメ図作成は、工場で配管を制作、現地にて取り付けるために必須の作業です。
プラント配管設計基礎【図面・記号の見方について】
配管図の記号は様々な種類がありますが、最低限知っておきたいものについてまとめました。
- バルブ
- ポンプ
- 圧力計
配管接続方法は以下の4種類
- 溶接
- ソケット溶接
- フランジ
- ねじ込み
より多くの配管図記号を知りたい方は「プラント配管ポケットブック」がおすすめです。
下記の記事で詳しく解説しています。
>>プラント配管ポケットブック第6版とは?【PDF・アプリも徹底解説】
プラント配管図面製図の投影法について
プラント配管で使用される投影法には大きく2つあります。
- 等角投影法
- 第三角法
プラント配管のアイソメ図は等角投影法で書かれています。
X軸、Y軸、Z軸がそれぞれ120°となります。
第三角法は配管レイアウト、サポート、架台製作図の際に使用される投影法です。
三面図という、正面図、平面図、側面図で構成された図面です。
プラント配管設計の資格について
プラント配管設計に関わる主な資格は5種類です。
- CAD利用技術者
- 機械設計技術者
- 管工事施工管理技士
- 機械・プラント製図技能士
- 技術士、技術士補(機械部門)
CAD利用技術者は一般社団法人コンピュータ教育振興協会が主催検定している民間資格です。
2次元、3次元に分かれており、2次元CADは基礎、2級、1級、3次元CADは2級、準1級、1級があります。
機械設計技術者は一般社団法人日本機械設計工業会が認定する民間資格です。
種類は1~3級まであり、設計だけでなく、機械工学全般が出題範囲となっています。
管工事施工管理技士は国土交通省が認定する国家資格。
1級と2級があり、配管工事の専門家として、専任技術者および監理技術者になることができます。
機械・プラント製図技能士は、都道府県職業能力開発協会が実施する、国家資格の技能検定です。
プラント配管製図作業の1級の試験では、指示されたP&ID図等から平面の配管組立図を作成が出題。
2級では、指示された配管組立図等からアイソメ図を作成する問題が出題されます。
技術士は文部科学省が認定する国家資格です。
プラント配管設計に関わるのは機械部門。
設計だけでなく、工事管理、コンサルティング業務等、幅広くキャリアアップできる資格と言えます。
まとめ:プラント配管設計基礎入門【図面製図初心者向けにわかりやすく解説】
以上プラント配管の設計について、初学者向けに解説しました。
まとめると下記のとおりです。
- プラント配管は新規配管敷設に必須の業務
- 業務の流れ(P&ID→配管レイアウト→アイソメ図)
- 図面記号はプラント配管ポケットブックがおすすめ
- アイソメ図は等角投影法、配管レイアウト、サポート、架台製作図は第三角法
- 資格はプラント配管製図作業1・2級がおすすめ
エムケー商事株式会社ではプラント配管、継手等を各種取り揃えております。
また、その配管に付随した架台製作実績も公共工事、製鉄・発電プラント様に多数ございます。
お困りの際はお気軽にお問い合わせください。