- プラント配管ポケットブックの必要性について知りたい
- プラント配管ポケットブックのPDFはある?
- プラント配管ポケットブックに換わる便利なスマホアプリは?
発電、製鉄関係のプラント保守に携わる方であれば、一度は目にする「プラント配管ポケットブック」。
この記事を読んでいるということは、購入を迷われているのではないでしょうか。ただ、インターネットを使って、PDFや便利なスマホアプリでパッと調べたいという方も多いのも事実です。
エムケー商事株式会社は創業12年。創業当時から室蘭の製鉄所にプラント配管を納めてきました。
そんなプラント配管のプロフェッショナルである弊社が、プラント配管ポケットブックについてわかりやすく丁寧に解説していきます。
この記事を読むことで、プラント配管ポケットブックがどんな方にとって必要なのかがわかります。そして、PDFおよび便利なアプリについてもご説明致します。
プラント配管ポケットブックは、現在発電所・工場に勤務しており、特に配管工事を設計、計画、発注することが多い方には必須の本です。
その理由について詳しく解説してきます。
プラント配管ポケットブックは工場の配管工事設計・発注に便利な本
プラント配管ポケットブックは、1967年に井水治博氏によって初版が発行され、50年以上規格改定に伴って、編集されてきた歴史のある本です。
最新版の第6版は編者がプラント配管研究会。出版社は日刊工業新聞社です。
価格は税込3,300円となっています。
購入するメリットとデメリットについては、以下のとおりまとめました。
メリット
- 寸法・材質等がJIS規格に基づいて、正確に細かく記載されている
- 設計するにあたり、配管をサポートする方法のヒントとなる
- アイソメ図が理解できるようになる
デメリット
- 胸ポケットに入るほどのサイズではない
- 配管の簡単な寸法確認であればネットやアプリの方が早い
では、プラント配管ポケットブックはどんな人に必要なのでしょうか。
必要な人
- 配管工事を計画する担当者
- 配管の図面を書く担当者
- 配管加工・取付けの担当者
不必要な人として挙げられるのは「配管工事の概要のみ知りたい経営層」くらいでしょうか。基本的には、配管工事に関わるすべての人に必要な本であると言えます。
次にメリット、デメリットについて詳しく解説していきます。
メリット①:配管の正確な情報が記載されている
当たり前の事かもしれませんがJIS規格に基づいた寸法、材質、重量が記載されています。
配管工事を計画、製図、材料を選定する上で、参考にならないわけがありません。
プラント配管工事については、下記の記事で網羅的に解説しています。
>>プラント配管完全ガイド【発電所・工場初心者向けに基礎知識を解説】
メリット②:配管サポートの例が豊富
あなたは配管サポートを計画するとき、どのように決めますでしょうか?
- 既設の設備を参考にする
- 過去の工事経験から決める
- ネットで探す
さまざまな方法はありますが、どれもこれから施工する現場に合わない可能性もあります。
プラント配管ポケットブックに記載されている配管サポートの例は160種類。
パラパラとめくっているだけで、インスピレーションがわき、サポートの悩みを素早く解決してくれます。
メリット③:アイソメ図を読めるようになる
アイソメ図とはアイソメトリック図の略です。配管を斜め上から見た図面であり、配管工事を実施する際に多く用いられます。
プラントの担当者の方であれば、必ずと言っていいほど見る図面です。
プラント配管ポケットブックにはアイソメ図で使用する図面記号について、網羅的に記載されています。
必要最低限の図面記号を知りたい方は、ネットで調べるのも一つです。
とはいえ、より多くの図面記号を知りたい方には、このプラント配管ポケットブックは必要不可欠と言えます。
デメリット①:胸ポケットには入らない
プラント配管ポケットブックは、横113mm×縦176mm×厚さ21mm。一般的な電卓より一回り大きいサイズです。
作業着の胸ポケットに収まるほどの大きさではありません。
したがって、現場に持っていくためには、現場用の書類ケースなどが必要です。
なるべくポケットに納めて現場に持ち歩きたいという方には、あまり向いていないと感じることも。
とはいえ、プラント工事の担当となれば、仕様書、図面、指示書等を入れるのに、現場用の書類ケースを持ち歩くことがほとんどです。
現場用の書類ケースを持ち歩くことを考えれば、プラント配管ポケットブックは現場にも持っていきやすい本であると言えます。
デメリット②:簡単な寸法確認はネット・アプリのほうが早い
現代はネット社会です。Google検索で少し調べれば、簡単な寸法はパッと出てきます。
たとえば、SGPですと「SGP 規格」「SGP 寸法」と調べることで、呼び、外径、厚さ、内径等が即座にわかります。
簡単な寸法を素早く知りたいときは、ネットで検索する方が便利と言えます。
またスマホでサクッと調べたい場合は、アプリも便利です。
プラント配管工事計画に便利なアプリ「配管tap」
スマートフォンでダウンロードできるアプリ「配管tap」は、各種配管の外形、内径、厚みをすぐに確認したいときに大変便利です。
基本的な使い方は下記のとおりです。
step
1画面上部をタップ
step
2調べたい配管、継手をタップ
この時点で、外径(OD)、半径(R)、厚み(t)がわかります。
step
3調べたいサイズをタップ
外径、内径、厚み、1mあたりの重量がわかります。
長さ、数量、単位を入力することで、重さが自動計算されます。
step
4画面中央右側の赤いプラスマークをタップ
プラスマークをタップすることで、画面の下部に選択した情報が追加されます。画面上部をタップし、他の配管、継手を選択、再度プラスマークをタップすると、画面下部に次々と追加することができます。
このように追加していくことで、合計の重量を把握することができます。
発電、製鉄プラントにおいては、400A以上の大径管の工事を行う場面も多いです。
工事の予算計上や見積り依頼の際に、クレーンやチェーンブロックが必要かどうかを判断する材料として、おおよその配管重量を把握するのは大変重要です。
1mあたりの重さを調べて、手計算をする方法もありますが、やや時間がかかります。
現場調査や図面でおおよその距離と配管の種類がわかっているのであれば、配管tapを利用して、効率的に工事計画を進めてみてはいかがでしょうか。
プラント配管ポケットブックのPDFダウンロードは危険
「プラント配管ポケットブック pdf」で検索したところ、無料でPDFや電子書籍がダウンロードできると謳うホームページもあります。
しかし、こういったホームページは非常に危険です。フィッシング詐欺の恐れがあるためです。
無料でダウンロードするかわりに個人情報やクレジットカード情報を入力させることによって、その情報を悪用される可能性があります。
ホームページに記載されている言葉も支離滅裂で、文章になっていません。海外で作成されているか、ソフトで自動生成した文章である可能性が高いです。
このように非常にリスクが高いことから、必ず正規の書店(紀伊国屋、楽天、Amazon等)のホームページから、書籍を購入してください。
エムケー商事株式会社では、プラント配管ポケットブックの書籍についても販売に対応しております。お気軽にお問い合わせください。
まとめ:プラント配管ポケットブック第6版【気になるPDF・アプリも徹底解説】
以上、プラント配管ポケットブックについて解説しました。
まとめると下記のとおりです。
- プラント配管ポケットブックは工場の配管工事設計・発注に便利な本
- スマホアプリ「配管tap」は工事計画・予算計上に便利
- プラント配管ポケットブックのPDFダウンロードは危険
事務所等のパソコンがある環境で、簡単な寸法を確認する場合はネット検索が早くて便利です。
現場でパッと調べたいとき、工事計画・見積もりを依頼するときは、スマホアプリ「配管tap」が便利。
アイソメ図の理解を深めたり、配管サポートのヒントを得たり、より深い知識が必要なときは、プラント配管ポケットブックを利用すると大変便利です。
状況に合わせて、それぞれのツールを使い分けてみてはいかがでしょうか。
この記事があなたのプラント保守に少しでもお役にたてたら幸いです。
配管材料発注、架台製作等でお困りの際は、ぜひお気軽にお声がけください。